産後の不調に悩まされる女性はたくさんいます。
出血を多くともなう出産。体力の消耗もすさまじいものですよね。
そんな大変な経験をした直後に開始される育児…。
赤ちゃんのお世話に必死になって、思わず自分のことは後回しにしてしまうお母さんも多いのではないでしょうか?
でも、自分のケアもしっかりしておかないと、これから何年もある育児、乗り切っていけませんよ。
しかも、そのまま不調を抱えていては、将来もっと身体が悲鳴をあげてしまいます。
まずは、今抱えている産後のトラブルを漢方で改善して、これからもっとパワフル母ちゃんで頑張れるようにしていきましょう!
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目次
あなたの産後の症状にあう漢方薬は?
子宮の戻りが悪い、悪露が終わらない…産後の諸症状
これらの症状におすすめの漢方は『芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)』です。
漢方の元になる東洋医学では、これらの症状の原因は、産後に血がうまく巡らずに停滞している上、血が足りないもしくはうまく機能していない状態だと考えます。
芎帰調血飲には、その血流を改善し、気の巡りをよくする効果があります。
子宮の戻りや、悪露の改善、マタニティーブルーを軽くする効果もあり、産後の回復に効果的です。
産後の不調を訴える女性に多く処方される漢方のひとつです。
※悪露(おろ)…出産後、子宮の収縮と同時に悪露と呼ばれる経血のような、血液や粘膜が混ざったおりものが出ます。
悪露は、2~3日までは多く、赤い色をしていますが、その後だんだん色が薄くなり、1カ月ほどでほとんどなくなります。
疲労感が取れない、貧血がひどい
いわゆる、『産後の肥立ちが悪い』と呼ばれるこれらの症状には、『十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)』という漢方がおすすめです。
貧血が悪化すると母乳の出方にも影響してくるので、その場合にも処方されることが多いようです。
髪の毛が抜ける、産後に白髪が増えた
これらの症状にも、上であげた漢方薬『十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)』が効果的です。
しかし、週産後の脱毛や白髪は個人差はありますが多くの人にあらわれる症状です。
自然と回復してくるものであるので、それほど気にやまないようにしましょう。
また、脱毛や貧血には『芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)』が処方される場合もあります。
これらの漢方を処方しながら、症状が落ち着いたら産後の諸症状に処方される『芎帰調血飲』に切り替えていく場合もあります。
不安やイライラ…マタニティーブルー
マタニティーブルーの症状にもっともよく使われる漢方薬は、『芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)』です。
それでも回復しなかったり、落ち込みが強い場合は『香蘇散(こうそさん)』や、イライラが強い場合は『女神散(にょしんさん)』が併用される場合もあります。
また、それ以外にも、もともと周囲に気を使うタイプの人には『抑肝散(よくかんさん)』が処方されることもあるようです。
不安が強く、悪夢を見ることがあるという人には、『桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)』が処方されるケースもあります。
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子宮の収縮でお腹が痛い、子宮の痛みが続く
子宮の収縮が強いということは、子宮が回復に向かっているということで、良いことではあります。
ですが、あまりにも痛みがある場合には、『当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)』がおすすめです。
母乳が詰まる、乳腺炎で胸が痛い
これらの症状には、『葛根湯(かっこんとう)』が効果的です。
ただし、乳腺炎には適切なマッサージが必要な場合があるので、産科や母乳外来などで母乳マッサージをしてもらうのもおすすめです。
まとめ
今回は、漢方薬つまり東洋医学の観点からの産後不調の改善方法についてお話ししました。
漢方は、どうしても『身体にやさしい』『副作用がない』というイメージがありますが、そうではありません。
確かに、西洋薬に比べて、緩やかな効果が期待できるので、身体にかかる負担が少ない面もあるでしょう。
しかし、漢方も薬ですから副作用もありますし、種類によっては急激な作用をもたらすものもあります。
最初は、産婦人科の医師に相談して処方してもらうか、漢方専門の薬局に行って相談することをおすすめします。
私自身、産後は不調続きでしたし、特に乳腺炎に泣かされました…。その時、西洋薬と漢方を併用して処方されたこともありました。
突発的な乳腺炎は、ドラッグストアに走って葛根湯を飲んで助かったときもあり、いい思い出です(笑)
産後は、女性の今後の人生が掛かっていると言ってもいいほど、大切な時期です。
自分をしっかり労わってあげてくださいね。
※おすすめの漢方に関しては、一般的に処方される種類をあげました。
処方薬は、個人によって違ってくるものですので、各自の責任で服用してください。
心配な方は、医師や薬剤師、漢方専門医にご相談の上服用してください。
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