平成27年の高齢者の行方不明者数は約12,000人(警察庁調べ)。
近年、その原因として危惧されている病気が認知症です。
認知症で注目すべきは超初期症状。
ちょっとしたサインを『年齢だから仕方がない』と片付けてしまっては危ないかもしれません。
ここでは、TBS『健康カプセル!ゲンキの時間』で特集された、『まさかあの行動が!?すばやく認知症を発見する方法』をもとに、認知症の初期症状サインについて解説していきます。
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目次
便秘が認知症の症状だった!?
年齢のせい…と片付けてしまいがちなのが、認知症の症状。
実は、便秘が認知症の代表的な症状だと知っていましたか?
認知症になると、自律神経の機能が低下してしまいます。
そのため、便に対する反応が悪くなってしまうのです。
他にも、認知症の初期症状として、いくつか番組で紹介されました。
自分自身だけでなく、家族の“あれ?”というサインが気になるという方は、当てはまるものがないかチェックしてみてくださいね。
これって認知症のサイン?~記憶編~
今回、認知症の初期症状について解説してくださったのは、杏林大学名誉教授で精神神経科専門医の古賀良彦先生。
日々の生活の中で、『あれ?』と思うことがいくつかありますよね。
それらが認知症のサインかどうか、チェックしてみましょう。
名前が思い出せない
知っているはずの漢字や、人の名前が思い出せない…これは年齢が上がるにつれてよくあることですよね。
ポイントになるのは、覚えていない部分です。
会ったことや、話したことは覚えていても、名前だけが思い出せないという場合はセーフです。
ですが、その人の存在自体を忘れてしまっていたら、注意が必要です。
古賀先生によると、記憶の中枢のひとつ、海馬が委縮してしまっている可能性があるのだとか。
時々同じものを買ってしまう
この場合の、見極めのポイントとなるのが回数です。
調味料や本の表紙など、いつも使っているものや似ている本などを買ってしまうのは仕方がないこと。
ただし、同じものを3回以上買ってしまったら注意しましょう。
本を読んだこと・映画を観たことを忘れる
この場合の見極めポイントとなるのが、気付くタイミングです。
以前に同じ本を読んだこと、同じ映画を観たことはすぐに気が付いても、結末が思い出せない…というのはセーフ。
古賀先生によると、記憶の定着率は感情が揺さぶられたかどうかで左右するので、面白くないと感じた場合は結末を忘れることも多いのだとか。
ですが、途中まで読んだり観たりしないと思い出せないのは、その経験の記憶が失われている証拠です。
半分以上読み進めたり、映画を観てから気付いた場合には、要注意です。
記憶のサインが本格的に…軽度認知障害かも
さきほどのような、記憶のサインが本格的に現れ始めることを、軽度認知障害と言います。
正常ではないけれど、認知症でもない…中間に位置している状態です。
日常生活には問題がありません。
最近、問題になっているのが、軽度行動障害です。
認知症の原因となる脳の萎縮は、脳全体に起こります。
それが脳の後ろ側で起きれば、認知機能や記憶に関して、脳の前で起きれば行動に変化が起こります。
そして、それらの症状を放置していると、5年以内に約7割の人が認知症に進行すると言われています。
これって認知症のサイン?~行動編~
次は、行動に関する認知症のサインをチェックしていきましょう。
性格が変わった
年齢が上がったら、正確が丸くなった、くどくなった…このような性格の変化も認知症のサインの可能性があります。
古賀先生によると、学術用語で性格変化という言葉があるのだそう。
性格が丸くなったというと聞こえがよいため、このタイプの場合はサインに気付きにくく、注意が必要なのだそう。
もし、辛い場面や大変な場面でも楽観的過ぎる場合やヘラヘラしているという場合は、多幸症という認知症のサインかもしれません。
また、ポイントとなるのが自覚の有無。
家族に言われても、『そんな事ない!』と反論するなど、行動面でのゆがみが始まることも。
見逃しやすい変化のため、日頃から家族でチェックすることが大切です。
料理に関する変化
料理の味が変わった、献立の数が減った、時間がかかるようになった…など料理に関する行動の変化も認知症のサイン。
この時のポイントとなるのが、配慮です。
例えば、子供の独立後、料理への張り合いがなくなるのは一般的なことなのでセーフです。
ですが、家族の好物を忘れてしまったり、毎日同じ献立を作ったり、料理の味が変化した場合は注意です。
家族や夫婦だからこそ分かるちょっとしたサインですが、行動にも目を向けてみましょう。
日常会話で言葉につまる・“アレ”が増える
古賀先生によると、日常会話でも言葉に詰まったり、『あれ』や『それ』といった言葉が増えてきたら注意をしましょう。
このような行動も、認知症の初期サインの可能性があります。
認知症を早期発見!最新の検査方法とは
MRI画像で脳の萎縮を診断
認知症が気になる、心配という方は、早期発見のために検査をすることも可能。
番組では、なかはら脳神経クリニックの中原邦晶先生が最新の認知症早期発見システムについて解説してくださいました。
中原先生によると、50歳以上を対象とした早期アルツハイマー型認知症の診断支援システムがそれなのだそう。
MRI検査で脳の画像を撮影し、患者と健常者の脳の萎縮の割合を解析します。
認知症になると脳が委縮し、画像の黒い部分が多くなります。
特に、記憶を司る海馬の部分をチェックすることで、早期発見につなげています。
気になる症状がある場合は、画像診断での早期発見がオススメです。
指タップで認知症をチェック!
続いては、さらに革新的なシステムをご紹介します。
そのシステムを紹介してくださったのは、国立長寿医療研究センターの作業療法士、鈴村将太さん。
鈴村さんによると、認知症になると左右の手の連携やリズム運動が出来なくなり、認知症や軽度認知障害の場合、特有のリズムとなって表れるのだとか。
このことを応用したシステムが開発されているのだそう。
指タップ検査では、両手の親指と人差し指にセンサを取り付けます。
まずは両手同時・15秒間・なるべく早く、3~4センチの幅を保って行います。
続いて、両手交互で同じように行います。
この検査では、開閉バランスや速度、幅が一定かどうか、両手のずれ、ばらつき、同時にタップできているかどうかを判定します。
また、交互に開閉した際には、運動量とリズム感、タッチ時間のばらつきや指の接触時間が均一かどうかを判定します。
単純な指の運動で、チェック時間は両手で30秒ほどと、手軽な検査が出来ると期待されています。
この指タップ検査は現在研究段階ですが、医療現場などで数年後の実用化を目指しているそうです。
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認知症の早期発見のために
最後に、認知症の早期発見のために普段から気をつけるべきことをしりたいですよね。
認知症は、予防が大切です。
古賀先生によると、簡単に出来て予防につながるのが、ウォーキングなのだそう。
この時、会話ができないくらいせっせと歩くことがポイント。
早歩きでウォーキングをすると、段差や障害物など、目からの情報を瞬時に捉え行動することで脳の刺激になります。
認知症のサインに注意しながら、予防をしていければ一番いいですね。
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