長年、肩こりや首コリの原因と言われてきたストレートネック。実は近年の研究では、ストレートネックが原因ではなかったといわれているのだとか。
それとは反対に原因として考えられるようになったのが、下がり鎖骨。本来あるべき場所に鎖骨がなく、下がってきている状態を下がり鎖骨といいます。
今回は、6月11日放送のTBS『健康カプセル!ゲンキの時間』で特集された、『首こり・肩こりの新原因!下がり鎖骨って何!?』について詳しくご紹介します。放っておくと、頭痛やめまい、しびれやうつまで引き起こしてしまう重要なものです。
なかなか肩こりがスッキリしない、首のこりまで出てきた…といった方は、必見の内容ですよ!では、さっそく詳しく見ていきましょう。
スポンサーリンク
目次
下がり鎖骨ってなに?
近年、肩こり・首コリの原因となると考えられる『下がり鎖骨』。どのような状態、症状を下がり鎖骨と呼ぶのかチェックしてみましょう。
水平化した鎖骨がコリを発生させる
今回、下がり鎖骨について詳しく解説してくださったのは、東京医科大学病院整形外科の遠藤健司先生。遠藤先生によると、一般的には鎖骨はV字の形をしているのだそう。
しかし、両端が下がって鎖骨が平らになった状態が下がり鎖骨なのです。水平化してしまっている鎖骨は下に下がっている分、肩がなで肩になって首を支えている筋肉が引っ張られている状態になります。これが、肩こりや首こりが起こる原因なのです。
筋肉が下に引っ張られて緊張した状態が続くと、筋肉が血管を圧迫します。それによって血行不良をおこし、疲労物質が蓄積することでこりを発生させてしまう…というメカニズムになっているんですね。
ほかの要因がコリの原因の場合も
下がり鎖骨が首コリ・肩こりの原因となるだけでなく、ほかの要因によるものだったり、組み合わさってコリが発生する場合もあります。
運動不足
睡眠不足
不規則な生活
これらはコリを発生させる要因となりますので、注意しましょう。
ストレートネックは肩こりの原因ではなかった?
肩こり=ストレートネックが原因と言われて久しいですが、今では関係ないといわれているのだとか。ストレートネックは、腰に疾患を抱えている人にストレートネックが多いことが分かってきたので、それが要因の場合もあるようです。
下がり鎖骨になる原因は?
下がり鎖骨が肩こり・首コリの原因となることは分かっても、どんな理由で下がり鎖骨になってしまうのでしょうか。遠藤先生が、下がり鎖骨になりやすいポイントを教えてくださったので、自分に当てはまるところはないかチェックしてみましょう!
猫背・うつむき姿勢の習慣化
なかなか自分では気が付きにくいものですが、電車やバスの中などでこの姿勢になっている人を見かけますよね。猫背やうつむき姿勢は肩が内側に入りやすく、肩甲骨は外側に開き前方に倒れてしまいます。すると、連動した鎖骨が下に引っ張られ、下がり鎖骨になってしまいます。
また、脚を組む癖がある人も要注意!脚を組むと骨盤が傾くため、バランスを取ろうと肩回りの筋肉が緊張しやすくなります。これが肩こりを引き起こしてしまうのです。
姿勢を変えない
猫背やうつむき姿勢の人の多くが、姿勢を変えずに座っていることが多いようです。これも、下がり鎖骨をさらに悪化させてしまう要因になるので注意しましょう。
姿勢が悪いと筋肉の緊張状態が強くなるので、正しい姿勢をキープできるようにしましょう。
下がり鎖骨を放置すると胸郭出口症候群に!?
では、下がり鎖骨をそのまま放っておくと、どのようなことが起きるのでしょうか。遠藤先生によると、鎖骨と肋骨の間が狭くなることでその間に通っている神経などが圧迫されるようになるのだそう。これが、肩こりのひどくなった状態で、胸郭出口症候群です。
鎖骨と第一肋骨に囲まれた隙間=胸郭出口には、腕の神経や脳に血液を送る太い血管が通っています。下がり鎖骨を放置しているとこの胸郭出口が狭くなり、大切な神経や血管を圧迫し、炎症を引き起こしてしまいます。
その症状は多岐にわたります。
しびれ
冷え
めまい
むくみ
頭痛
歩行障害
うつ
遠藤先生は、診断で鎖骨に圧迫された神経の通り道を押していました。もし炎症があれば押すだけで痛みやしびれを感じるのだそう。
肩甲骨ガチガチ度をチェック!あなたは大丈夫?
あなたの肩甲骨はどのくらい柔らかいですか?もしガチガチであれば下がり鎖骨になっている可能性が高いかもしれません。簡単にガチガチ度合いをチェックできますから、あなたもチャレンジしてみてくださいね。
- 後頭部、肩、尻、かかとを壁につけて立つ
- 壁に沿うようにゆっくりと腕を上げる
腕はどこまであがりましたか?
45度未満…ガチガチ
45~60度未満…ややガチガチ
60度以上…OK!
ガチガチ・ややガチガチだった人は、肩甲骨周りの筋肉が固くなっているようです。そんな方は、下で紹介するコリ解消術にトライしてみましょう!
即効こり解消術
班目クリニック監修!即効でコリを解消する方法
青山班目クリニック監修の肩こり解消術が番組で紹介されましたので、さっそく試してみましょう。
- 力を抜いて手のひらを正面に向ける
- 反対側の手で力こぶの延長線上の、胸と腕の間にあるコリコリした部分を探る
- 見つけたら、親指の腹で優しくほぐす
1回の効果は短いですが、即効性はアリとのこと。コリを感じやすい人はこれを習慣化させましょう。
くれぐれも、痛みを感じる場合は無理をしないでくださいね。
ボート漕ぎ体操
東京医科大学病院の遠藤先生監修の肩こり改善体操の方法がこちら。
- ボートを漕ぐように腕を前から後ろに回す。この時、呼吸を止めないように注意
- 肩甲骨を意識しながらゆっくりと回す
- 肩甲骨を寄せながら、ひじを肩の上まで上げるのがポイント
- 10回を1セットとして、1日2セットが目安
※痛みを感じる場合は無理をしないでください。
スポンサーリンク
最新の肩こり治療『ハイドロリリース』に注目!
東京大学医療技術学部スポーツ医療学科の笹原潤先生によると、こりを一瞬で改善する方法としてハイドロリリースがあるのだとか。
アスリートのケアから誕生した治療法
ハイドロリリースとは、コリの原因のひとつとして考えられる筋肉や神経の周囲に生理食塩水などを含む薬液を注射し、くっついてしまった組織を引き離すことで痛みを取り除く治療法です。
このハイドロリリースは、もともとスポーツ選手のケアなどに用いられていた技術がこりの治療に応用できることが判明し、近年注目されている治療法です。
笹原先生によると、即時性のある治療法ではあるものの、根本的な解決になるわけではないとのこと。日頃のスマホ・PC作業や、ストレスの緩和を見直すことなど、日ごろのケアも同時に必要になります。
ハイドロリリースの治療を受けたい!
現在、このハイドロリリースによる治療は全国の多くのクリニックや医療機関で実施されています。医療機関によって治療の名称が異なりますので、問い合わせて聞いてみるのもいいでしょう。
また、保険が適用できる場合とできない場合があるので注意してください。受診を希望する場合は、それを確認の上で受診することをオススメします。
さいごに
今回は、下がり鎖骨による肩こり・首コリの解消方法についてご紹介してきました。今の時代、パソコンやスマートフォンはなくてはならない存在になってきていますよね。
私もこの2つは必需品になってしまっているので、肩こりで大変です…^^;
普段の姿勢、生活を見直しながら、少しずつ改善していこう!と思います。みなさんもぜひ、肩こり・首こりのケアにトライしてみてくださいね。
スポンサーリンク