2月26日放送のTBS『健康カプセル!ゲンキの時間』で特集された、『正しい使い方から税制まで!セルフメディケーション』について詳しくご紹介します!
2017年1月から開始されたことで注目を集めるセルフメディケーション税制。
市販薬がお得になる税制も気になりますが、まずは正しいセルフメディケーションの方法を知っておくことも重要です。
今回番組では、市販薬の正しい使い方や、セルフメディケーション税制の仕組みについて紹介されましたよ。
正しい知識で、健康&お得をゲットしちゃいましょう!
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目次
そもそもセルフメディケーションって何?
軽い症状の時は自分で手当て
そもそもセルフメディケーションとは一体どのようなことを指すのか、知っている人は意外と少ないようです。
セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする事と、WHO(世界保健機構)で定義されています。
例えば、風邪などを引いたときに病院などに行かず、市販薬を飲んで治すこともありますよね?
これも、セルフメディケーションなんです。
市販薬の薬の副作用…あなたは知っている?
ある調査によると、風邪を引いた時に取る行動として、約7割の人が市販薬を服用すると回答しています。
ですが、別の調査では、3割以上の人が自分が飲んでいる薬の副作用についてほとんど知らない、もしくは全く知らないと回答しています。
そうは言っても、なかなか薬の知識って一般人が知るのは難しいものですよね。
まずは、薬の知識の基礎となる部分を学ぶことで、正しいセルフメディケーションを行うことを目標にしましょう!
薬に関する疑問を解消!あなたは大丈夫?
処方薬と市販薬の違いは?
今回、市販薬について詳しく解説してくださったのは、日本くすり教育研究所の医学博士、加藤哲太先生。
加藤先生によると、処方薬とは医療用医薬品と呼ばれ、医師の診断に基づいて治療のために使われる薬を指すのだそう。
医療用医薬品は市販薬に比べて有効成分が多いものの、その分副作用に注意が必要です。
そのため、薬剤師から服用の指導を受けなければなりません。
一方、市販薬は症状の緩和を目的として使用します。
そのため、医療用と比べて有効成分が少な目となり、作用も穏やかです。
ちなみに、市販薬はOTC医薬品とも呼ばれます。
OTCとは、Over The Counterの略のことで、薬局などのカウンター越しに医師の処方なしに買える医薬品のことを指します。
薬の形状に様々な種類があるのはなぜ?
薬には、粉上のものやカプセル、錠剤など様々な形がありますよね。
もちろん、それには理由があります。
粉薬はすぐに溶けてくれるため、他の薬よりも少し早めに効くメリットがあります。
ですが、錠剤を砕いて飲むのはNG。
錠剤の中には、溶け方の違う薬が層になっているものがあります。
これは、まず外側の薬が胃で溶け、次に内側の薬が腸で溶けることで、成分をより長く身体にとどめることが出来るのです。
また、便秘薬など腸で効果を発揮させたい薬には、胃酸で溶けないためのコーティングがされています。
そのため、錠剤を砕いて飲むと必要以上に効きすぎてしまったり、効果が半減してしまうことがあるのです。
加藤先生によると、お薬のその形には意味があって作られているため、言われたとおりに飲むのが、一番効果的で安全なのだそう。
オリジナルで変えてしまわないよう、注意しましょう。
食間っていつのこと?
薬を飲むタイミングで、食前・食後・食間と記載されていることがありますよね。
食前・食後については分かっても、意外と知らない人が多いのが食間のタイミング。
食間は、食事と食事の間のことを指します。
朝食と昼食の間、昼食と夕食の間に飲むようにしましょう。
加藤先生は、前の食事から2時間を開けるのを目安にしてほしいと言います。
これは、胃の中が空っぽの時に入れて欲しい薬だから。
また、食前の場合は食事の20~30分前に飲むようにしましょう。
これは食前の空腹時に飲むことで、食後の血糖値などを下げる薬などがこれに当たります。
食後と指示された薬は、食事を食べ終わってから20~30分後に飲むようにしましょう。
これは空腹時を避けることで胃への刺激が少なくなるメリットがあります。
また、毎食後と指示されている薬の場合は、服用の間隔は4時間が目安です。
この間隔が短いと効きすぎることもあります。
4時間後に食事が難しいという場合は、薬を服用する前にクラッカーなどを1枚食べるだけでもOK。
食欲がない時でもほんの少し食べてから飲むことで、胃を保護することができます。
薬は水以外で飲んでも大丈夫?
薬を飲むときに、疑問にもつことが多い、水分のこと。
水ではなく、緑茶や牛乳などで飲んでいる人もいるかもしれませんね。
薬は、基本的にコップ1杯の水またはぬるま湯で飲みましょうという指示があります。
これは、緑茶や牛乳などと一緒に飲むことである現象が起きてしまう薬があるのため。
例えば、貧血を直すための鉄剤。
これを緑茶と一緒に飲んでしまうと、鉄の成分と緑茶の成分が合体してしまい、体内に吸収されなくなってしまいます。
全ての薬がこうなるワケではありませんが、薬によって成分と飲み物が反応してしまう場合があります。
間違わないようにするためにも、薬は水またはぬるま湯で飲むという習慣をつけたほうが良いのです。
他にも、組み合わせの悪い例を見てみましょう。
- 高血圧・偏頭痛・心臓病などの薬×グレープフルーツジュース…ジュースに含まれるフラノクマリンという成分が薬の作用を強める
- 睡眠薬など脂溶性の薬×牛乳…薬の吸収を高め、めまいなどの副作用を起こす
- 骨粗鬆症の薬×牛乳…薬の効き目を低下させる(飲む場合は2時間以上あけて)
- 薬×アルコール…絶対NG!薬によっては意識レベルを低下させ、最悪の場合死に至る危険性も
これはほんの一例でしかありません。
お薬を飲むときは、水もしくはぬるま湯で…と覚えておきましょう。
市販薬の分類ってなに?
市販薬の分類には、用指導医薬品・第1類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品があります。
加藤先生によると、医薬品は副作用があらわれることがあり、副作用のリスクを考慮して分けられているのだそう。
要指導医薬品は、安全性上取扱いに十分な注意を要するもので、購入の際には薬剤師による書面を用いた説明を受ける必要があります。
また、第1類医薬品はインターネットでの購入が可能ですが、要指導医薬品同様、薬剤師からの情報提供が必要です。
ドラッグストアや薬局では、要指導医薬品・第1類医薬院は購入者の手の届かないところに置いてあります。
市販薬と処方薬を組み合わせて飲んでもいい?
加藤先生によると、市販薬と処方薬を一緒に飲むときは組み合わせに注意が必要なのだそう。
例えば、市販薬の風邪薬×処方薬の血圧の薬では血圧が下がらなくなる、市販の風邪薬×処方糖尿病薬では血糖値が下がり過ぎる、市販の風邪薬×抗血栓薬では出血が止まりにくくなるなどのケースもあるのだとか。
このようなリスクを避けるために、処方薬を飲んでいる時は医師や薬剤師に相談して市販薬を使用するようにしましょう。
市販薬は、安全・効果的に使うようにしましょう。
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セルフメディケーション税制を賢く利用!
セルフメディケーション税制ってなに?
2017年1月から開始されたセルフメディケーション税制とは、OTC医薬品(市販薬)についても、ある条件で税金を控除できるようになった税制のことです。
従来の医療費控除では、医療機関での診療・治療費・医薬品購入費(OTC医薬品含む)などで10万円を超えた分だけ控除対象となっていました。
一方、セルフメディケーション税制では、特定のOTC医薬品の購入費が年間12,000円を超えた分から控除対象となります。
従来の医療費控除よりも、身近になっています。
セルフメディケーション税制の注意点
お得で便利なセルフメディケーション税制ですが、利用するには注意点が3つあります。
まずは、控除の対象が特定のOTC医薬品に限られること。
その対象となるOTC医薬品は全部で1577品目(2017年2月22日現在)。
同じシリーズの薬であっても、喉に効くタイプや、鼻に効くタイプなどがありますよね。
これらは含まれる有効成分が異なるため、対象のものとそうでないものがある場合があります。
見分け方は、画像にある『セルフメディケーション』のマーク。
また、控除を受けるためには、特定のOTC医薬品の購入を証明できるレシートが必要となります。
税制対象商品には☆マークなどがレシートに記載されているので、チェックしておきましょう。
このレシートは、確定申告まで大切に保管しておいてくださいね。
そして注意点2つめが、健康の維持促進に努めているということ。
セルフメディケーション税制を利用するには、健康診断や予防接種などの健康管理を行っていることが条件となっています。
結果通知書や領収書の提出が必要となります。
そして3つめが、正しい知識で使う税制を選択すること。
セルフメディケーション税制は、従来の医療費控除との併用が出来ません。
そのため、どちらが得なのかを見極める必要があります。
例えば、年間で医療費控除の対象である病院での医療費や薬代などが85,000円、さらにそこにセルフメディケーション税制の対象となる医薬品の購入費が20,000円、トータルで10万5千円かかったとします。
その際、従来の医療費控除を使うと控除対象の金額は10万5千円から10万を引いた5千円です。
一方、セルフメディケーション税制であれば、控除対象の2万円から12,000円を引いた8千円になります。
つまり、この場合はセルフメディケーション税制を利用したほうが、3千円も控除対象額が多くなることになります。
対象は一世帯あたりになるので、家族の人数が多ければ多いほど得になるということになります。
さいごに
今回は、セルフメディケーションについてご紹介してきました。
身近な市販薬ですが、意外と正しい知識って持っていないな~と実感しましたね。
薬剤師さんがいるドラッグストアをいつも利用しているのですが、あまり相談する機会ってありませんでした。
これからは、疑問に思うことがあったら、積極的に聞いてセルフメディケーションに役立てていきたいと思います!
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