『若いころは低血圧だったから、高血圧にならないわ!』と思っている方はいませんか?
若い頃は低血圧だった女性でも、更年期をさかいに高血圧へと変化することがあるんですよ。
高血圧になると、どんなリスクがあるのか?
どの程度の症状が出たら病院へ行くべきか?
高血圧にならないために日々どんな生活を心掛ければよいのか?
今回の記事では、更年期の女性に関わる高血圧について詳しくお話ししていきます。
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目次
更年期になると、高血圧になりやすいのはなぜ?
なぜ、若いころに低血圧もしくは正常値であっても、更年期になってから高血圧になるのでしょうか。それには、女性ホルモンのエストロゲンが関係しています。
更年期になると、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少します。
このエストロゲンには、脂質代謝をよくして血中のコレステロールを抑制してくれる働きがあります。また、血管の弾力性を高める働きもあります。
つまり、更年期にエストロゲンが減少すると、血管が固く、もろくなるのです。その上、血中のコレステロールも抑制されるがなくなり、血中にとどまるようになってしまうのです。
これが、更年期をさかいにして、女性に高血圧や動脈硬化が増える原因となります。
高血圧には、どんなリスクがあるの?
では、高血圧になると、私たちの身体にどのようなことが起こるのでしょうか。
今は症状が出ていなくとも、近い将来に身体に症状が出てくる可能性もあります。
心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなる
エストロゲンが減少した体内の血管は、固くもろくなります。そこに、コレステロールがとどまったドロドロの血液が通ろうとすると、血管の壁にかかる圧力、つまり血圧が高くなります。これが高血圧と呼ばれるものです。
血管の壁が高血圧によって傷つくことがあります。すると、その傷ついた部分に血小板やコレステロールが付着し、通り道が狭くなるのです。これにより、血管の狭窄や梗塞(ふさがって通じなくなること)が引き起こされてしまいます。
血管の狭窄や梗塞が原因で起こるものに次のようなものがあります。
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 脳出血
どれも、非常に重篤な症状になりかねない病気です。
いかに、高血圧の状態が危険かお分かりいただけると思います。
高血圧にともなう症状を見逃さない
高血圧自体には自覚症状はないことがほとんどです。
しかし、上で挙げたような病気を引き起こさないためにも、自分の身体の異変には敏感でいる必要があります。
高血圧にともなう症状には以下のようなものがあります。
- めまいやふらつき
- 頭痛
- 耳鳴り
- 動悸
- ほてり
- 手足のしびれ
- 吐き気
- 不安感
このような症状がある場合は、高血圧を疑いましょう。
病院を受診するべき血圧数値の目安
高血圧の治療が必要かどうかは、高血圧の度合いや他の病気の有無、生活習慣で改善が出来そうか…など、人それぞれで違います。
また、医師や医療機関によって、160/100mmHgを超えたら投薬治療をする場合もあれば、最高血圧が140mmHgを超えたら投薬を開始するなど差があります。
普段から自宅で血圧をはかり、高くなったなと思ったら早めに医療機関を受診するのがおすすめです。
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『私は低血圧』その思い込みが危険!
一般的に、血圧は年齢とともに高くなっていくものです。
厚生労働省による『平成25年国民健康・栄養調査報告』によると、至適血圧・正常血圧と診断された20代女性は97.4%、30代女性は86.6%、40代女性は74.2%、50代女性は55.1%、60代女性では33.4%となっています。
至適血圧・正常血圧以外の女性は高血圧に分類されるので、年齢とともに高血圧の女性が増えていることが分かります。40代では3人に1人、50代では約半数の人が高血圧であると言えます。
『まだまだ私は若い!』と自信を持っている女性も、その思い込みは危険です。若いころから低血圧だと言われてきたのに、更年期を迎えたら急に高血圧と診断されるというのは珍しい話ではありません。
また、朝が苦手=低血圧というイメージを持っている方もいますが、それも思い込みの部分があります。低血圧だからと言って朝が苦手な人ばかりではありませんし、その逆もまた然りです。
自覚症状がない高血圧。40歳を過ぎたら毎日の朝晩に血圧を測定することをおすすめします。
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高血圧を予防・改善する方法
食事をしっかりと管理し肥満にならない
肥満と高血圧は深く関わっています。
更年期の女性は代謝が落ちているため、肥満になる傾向が高いです。この更年期の時期に、意識的に食事や運動などに注意して肥満にならないようにすると、高血圧の予防や改善につながります。
食事の際に、注意してほしい点は次にあげる内容です。
- 摂取カロリーをオーバーしない
- 甘いもの、油もの、塩分の高いものを出来るだけ避ける
- 塩分の排出する作用をもつカリウムを摂取する
- 内臓脂肪を増やすアルコールを控える
あまり厳密にやりすぎるとストレスに感じる人もいると思いますので、出来る範囲から少しずつこのような生活習慣を身につけてほしいと思います。
今正常な体重であればそれをキープできるように、肥満気味の方は正常の体重に戻せるように頑張ってみましょう。
日常的に運動を取り入れて
高血圧の予防には、固くなりつつある血管を柔らかくしてあげることも効果的です。
それには、日頃から運動をして血管を鍛えることが重要になってきます。
運動には、高血圧の原因となるコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあります。それに、肥満予防やダイエットにも効果的です。
週に3回、1回につき20~30分間からスタート、最低2カ月以上は継続することを頭に入れて運動を始めてみてください。
ハードなスポーツをする必要はありません。少し息があがる程度の負荷の運動の方が脂肪燃焼には効果的と言われています。
無理をしない程度から、散歩やストレッチなどを楽しみながらスタートさせてみてくださいね。
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